渋谷尭深の能力(ハーベストタイム)を検証するサイト

国士無双を狙う編

前文

私がたかみーの能力を調べていたら、あるブログの記事にたどり着きました。それは「麻雀雑記あれこれ」というブログの、「【考察】ハーベストタイムの必勝戦略」という記事です。

結論としては、ある一定条件のもとでは、「渋谷尭深は確実に(100%の確率で)勝利できる(それも相手をトバすまで)」というものでした。お、恐ろしい…。

詳細は上記記事を御覧ください。

とはいえ、それにはいくつかの仮定と条件が必要です。まずはそれらの妥当性を一つ一つ見ていきましょう。

以下では、上記ブログの記事を何度か引用します。

仮定の妥当性の検討

まず、「仮定」の1つめが以下のようなものです。

渋谷尭深がラス親で連荘した場合、ハーベストタイムは継続される

私が思うには、これが一番怪しい仮定です。これが適用されてしまうと、ハーベストタイムがさすがに強力すぎるような気がします。

ただ、それでは(たかみー好きにとって)夢がないので、妥当だとして話を進めます。

そして、「仮定」の2つめ、3つめは以下のようになっています。

第一打を捨てる前に局が流れたら、その局はハーベストタイムの種蒔きは行われない

九種九牌がルールで採用されている

これらはそれほど無理のある仮定ではないように思われます。九種九牌は微妙な気もしますが、各校に対して(本来は)不平等ではないので、採用されていてもおかしくはありません。

条件の妥当性の検討

続いて、発動条件の1つめに以下のようなものがあります。

ラス親を引く(開局時北家)

本編ではラス親を引いたことがないようでしたが、展開の都合上、引くこともあるものとして話を進めましょう。

発動条件の2つめは以下のとおりです。

種牌を9回以上蒔く(できれば10回以上)

じゃあ、何回タネ牌を蒔けるのがベストなの? …ということを調べるのがこのページの目的です。

発動条件の3つめです。

国士無双狙いで種を蒔く。中張牌や2種類目の幺九牌対子を蒔いたら失敗

ここがこの作戦のキモなんですが、具体的なアルゴリズムとしては、以下のようになります。

  1. 1つもタネ牌に含まれていない幺九牌が配牌にあれば、それを第1打として選択する。(優先順位は一萬>九萬>一筒>九筒>一索>九索>東>南>西>北>白>發>中)
  2. 1つもタネ牌に含まれていない幺九牌が配牌になく、1つだけタネ牌に含まれている幺九牌が配牌にあれば、それを第1打として選択する。(優先順位は一萬>九萬>一筒>九筒>一索>九索>東>南>西>北>白>發>中)
  3. 上のいずれの条件も満たさなければ、配牌に含まれる他の牌を第1打として選択する。(優先順位は萬子の2→8>筒子の2→8>索子の2→8>一萬>九萬>一筒>九筒>一索>九索>東>南>西>北>白>發>中)

2で2種類目の幺九牌対子がタネ牌に含まれるようになったらどうするかという問題ですが、そうなるケースというのは、実はタネ牌にもう幺九牌対子が完成していて、かつタネ牌に含まれていない幺九牌が配牌の中に含まれていないケースしかありません。こうなった段階で失敗確定なので、2種類目の幺九牌対子を作ろうが中張牌を捨てようが同じことです。3は配牌に幺九牌が全くないとき対策です。

発動条件の4つめ。

オーラスまでトバない・トバさせない

これはハーベストタイムを発動させるための最低条件なので、解説するまでもないですね。

基本戦略

上記記事での基本戦略は、簡単にいえば「ラス親を引いて、国士無双天和が出るまで九種九牌で流し続ける」というものです。このために必要な条件が、「発動条件の3つめ」、すなわち「タネ牌が9牌以上あり、それがすべて幺九牌で、なおかつ対子が1組以下」ということです。

タネ牌が9牌未満のときは、タネ牌以外がすべて中張牌だとどう頑張っても流せないので、失敗です。9牌以上でも、中張牌が1つでも含まれていたら国士無双天和は絶対にできません。もちろん、対子が2組以上あっても無理です。

この、「確実に流し続けられる状況」を「無限ループ突入可能」と表現することにします。

疑問

大三元狙いの時のハーベストタイムは、オーラスまでの局数が増えるほど強力になりましたが、このケースだとオーラスまでの局数が増えれば2種類目の幺九牌対子を作らざるをえない状況になりやすく、逆に不利ではないでしょうか?

…というわけなので、シミュレーションプログラムを作って調べてみました

結果

ハーベストタイムシミュレーション結果(国士無双編)
オーラスまでの局数 国士無双天和狙いの無限ループ突入可能回数(計) (n-1)種n牌回数 n種n牌回数 国士無双天和回数
9 79316 0 79316 11
10 96401 29609 66792 47
11 91680 42138 49542 307
12 81071 51473 29598 1987
13 59860 49309 10551 12140
14 28166 28166 0 28166

発動条件の2つめおよびこのサイトでの約束より、オーラスまでの局数は9局以上14局以下としています。また、発動条件の1つめより、第一ツモ和了ではなく、天和としています。なお、試行回数は例によって半荘10万回です。

[※2013/6/30追記] シミュレーション結果を、(n-1)種n牌とn種n牌(ただし、n=オーラスまでの局数)に分割しました。それとともに、結果も多少変わっております。

大三元を狙うケースの価値って一体…。…と言いたくなるような結果が出てしまいました。第一ツモ和了回数だけでも圧倒的な差じゃないですか!

何より恐ろしいのは、平均的な栽培期の局数と思われる10局で効果が最大になるところでしょうか。無限ループに持ち込める確率が96%以上って…。

こうなると、渋谷尭深がラス親を引いた場合、逃れる手は2つです。なんとかオーラスまでを8局以下に抑えるか、むしろ11局以上に増やしてしまうかです。

とはいっても、前者は渋谷尭深の真の能力を知らないプレイヤーがいたら極めて困難です。後者は14局まで増やしてもまだ3割近く無限ループに突入する可能性があるので、油断はできません。なお、後者の場合、天和確率が上昇するというリスクを負いますが、やられるとしたらどのみち国士無双天和なので、関係ありません。他に、最終手段としては、僅かな確率(オーラスまで10局で約3.3%)に期待して祈るしかないという状況ですね。

死角はないのか?

こうして見るとほぼ死角はないように見えますが、1つ致命的な欠点があります。

渋谷尭深自身がトップ(もしくは2位で次のステージに進めるときは2位)に大差をつけられた3位で、かつ4位がトビ寸前の時です。

例えば、考えてみましょう。1位(A):199000点・2位(B):190000点・3位(たかみー):10000点・4位(C):1000点の時に、国士無双天和をオーラス0本場で和了れば、得点は以下のようになります。

1位(A):183000点・2位(B):174000点・3位(たかみー):58000点・4位(C):-15000点

なお、0本場でいきなり国士無双天和の確率ですが、上の表をご覧の通りオーラスまで13局以上なら非現実的な確率ではありません。12局以下でも理論上は起こりえます。

そう、勝てないのです。もし、国士無双天和を放棄して、九種九牌で流すという相当にもったいないことができるのであれば、積み棒が逆転可能になるまで(この例であれば313本)流せば逆転可能です。…が、そういうことは可能なのでしょうか? 国士無双天和自体もうレアケース中のレアケースなので、想定されていない事態だと思います。

この場合は国士無双天和で和了っても勝てないのがわかっているので、ひょっとしたら九種九牌で流すというのも認められるかもしれません。

もっとも、先鋒に宮永照という絶対的エースがいるチームでこのような事態になることはまずありえないでしょうが。

もう一つの問題として、313本も積み棒が用意できるのか、という問題もあります。咲の世界の団体戦ルールで、点棒が何本ずつ配られるのかはわかりませんが、1人あたり20本あれば通常は十分でしょう。…そうなると81本場以降はどうなるのでしょうね。

まとめ

渋谷尭深がラス親を引いたら諦めろ。あと、たかみーは国士無双を狙ったほうがむしろいい。

謝辞

このページを作るきっかけを作ってくださった「麻雀雑記あれこれ」の管理人、しののぬさんには大変感謝しております。ありがとうございました。そして、このサイトを見てくださった方にも改めて感謝を。

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